ラヴェル(Maurice Ravel)の上質さと、お洒落な感じ、ウィットにとんだその感性が見事に結実した曲といえば、この『ラ・ヴァルス La Valse』に尽きるでしょう。
そして、その魅力をオーケストラにおいて最上級に表現できるのは、より「ラヴェル的に」という観点からみて、現在、最右翼にあるのは、デュトワをおいてほかにいません。
Maurice Ravel
Orchetre symphonique de Montreal
CHARLES DUTOIT
Daphnis et Cloe
Pavane pour une infante defunte
La Valse
さまざまなリズムとコードが駆使されたこのオーケストラ版の「ラ・ヴァルス」は、たぶん芸術系大学の指揮者の卒業試験にはもってこいと思えるほどに、1曲のなかにさまざまなトラップがしかけられた曲でしょう。だから、随分といろいろな演奏家のこの曲をききましたが、ひとつとして同じタイプの演奏をきいたことはありません。それほどに自由に解釈できる・・でも、だからこそ、逆に正解は、演奏者自らの手で考え、提示しなければならないのです。そこにこの曲の醍醐味があります。
デュトワのラ・ヴァルスが、素敵なのは、まさにその、彼の考える正解の定義の洗練度にあります。まさに最良の『ラヴェル』とさえ思えてしまうのです。
デュトワとモントリオール交響楽団はデッカにラヴェルの管弦楽曲全集を録音していますが、このアルバムはそのなかから人気のある作品を選んだもの。デッカ・レジェンドと名付けられた通り、96kHz、24-bitでの録音・マスタリングは澄んだ、奥行きのある音を聞かせてくれます。弦の踊る感じ、ティンパニの空間を貫く感じなど、比類なく素晴らしい録音です。
さて、このデュトワとラ・ヴァルスという黄金の組み合わせを体験できる日が迫ってきました。今月末、フィラデルフィア管弦楽団を率いたデュトワによりサントリーホールで、ラ・ヴァルスをきくことができます。本当は、これに加え、アルゲリッチによるラヴェルのピアノコンチェルトがカップリングされていたのですが、彼女の都合により、代役はポゴレリチに。そして、演目もショパンに変更されました。
あまりの重大な変更に、主催の梶本音楽事務は、例外的に払い戻しも認めていますが、払い戻すか、変更を受け入れるかの選択は、あまりに微妙な難しい課題です。アルゲリッチの代役がポゴレリチというだけで、ニヤっとする方はいるでしょうし、あわせてデュトワのラ・ヴァルスをいっしょにあきらめられるか・・というと、これだけでも聴きたくなってしまう演目だからです。
ちょっと話がそれました。それにしても、このモントリオールとの録音は、本当に絶品のラヴェルです。ぜひ、あなたの名盤の1枚に加えてください。おすすめします。
※あらたに、シャルル・デュトワの夜~やっぱり、ラ・ヴァルスといえばデュトワ。そしてロックなポゴレリッチ (Charle Dutoit La Valse ~ Ivo Pogorelich) 投稿しました http://wp.me/sMonj-dutoit
今日でテスト終わり…明日から通常モード…憂鬱だ…アンコンの準備もせなあきまへん…個人重奏コンの曲も決まってまへん…はぁ~
でも、最近この曲が車の中でヘビーローテーションです。さすがデュトワです!ラストにかけて圧巻の演奏です!こんなんやりて~!!
木本昌光の投稿 (2011/12/02)
8:35 pm