投稿者 undecuplet | 2010/01/25

ゲイリー・バートン(GARY BURTON) &小曽根真(MAKOTO OZONE)

ビブラフォンとはふしぎな楽器である。
いわゆるブラスバンドなどで学校などでもみることができるが、これがクラシック音楽の楽器と問われると、意外と難しい。というか、実はジャズのシーンで活躍するこの楽器をみることが多いのではないだろうか。
この楽器の歴史は短く、まだ90年にも満たない。しかし、その中でももっとも身近なジャズ・ビブラフォン奏者といえば、それは来日も多いゲイリー・バートンさんだろう。

彼は、この40年余り、まさに第一線のプレイヤーでありつづけている。そしてそれでいて、つい最近まで(ほぼ30年もの間)大学で教鞭をもとりつづけていたいわば学究肌の人でもある。実際に彼のプレイも、そんなニュアンスを感じさせるほどに、端正なで律儀な感覚が満ちている。しかし特筆すべきは、そういった精緻さの中に、彼でしかそれを可能にしない、まさにきわめて抑制感の心地よさをもつ真のグルーブ感があることだろう。まさに神様が二物を与えた数少ない天才プレイヤーのひとりなのだ。
あまりにたくさんのアルバムをつくっているので、この欄でも今後たくさんの彼の作品を紹介することになるのだが、今回紹介するのは、「GARY BURTON SELECTED RECORDINGS ECM」。いわばECMにおける彼のベスト盤である。

1. FOUR OR LESS
2. THE COLOURS OF CHLEE
3. DREAMS SO REAL
4. ICTUS/SYNDROME/WRONG KEY DONKEY
5. B&G(MIDWESTERN NIGHT’S DREAM)
6. DUKE ELLINGTON’S SOUND OF LOVE
7. SYNDROME
8. LADIES IN MERCEDES
9. LA DIVETTA

下記で、一部だけだが聴くことができる。

http://itunes.apple.com/jp/album/rarum-selected-recordings/id160725922

http://morawin.jp/package/80312139/00044001419522/

ゲイリー・バートンさんはさまざまなアーティストと共演し、バンドも組んできた。そして常に、相手の持ち味を巧みにひきだし、素晴らしい作品にしあげるのだが、僕が感じる限り、中でも特にピアノとの相性はいい気がする。チック・コリアさんとのデュエットは本当に素晴らしく有名だが、今回のこのアルバムではもうひとりの彼のご贔屓のピアニスト、小曽根真さんとの組合せを聴くことができる。
中でもベースのスティーブ・スワローによる名曲「LADIES IN MERCEDES」がおすすめ。ベースラインが音楽を引っ張っていくタイプで、その上を縦横無尽にかけめぐるゲイリー・バートンさんのパートと、小曽根さんのパートが各々ほどよくバランスされている。曲がシンプルなだけまさにグルーブ感を純粋に楽しめる。

YOUTUBEで、20年余り前のふたりの日本での公演を聴くことができる。斑尾でのライブなのでCDとはまた趣が異なるが、このふたりの相性のよさは掛け値なしにジャズライブの楽しさそのものなのだ。

あれから26年。その間にも何度か彼らのデュエットを日本でも聴く機会はあったが、ずいぶんと久々に、今年私たちは味会うことができそうである。「LADIES IN MERCEDES 」のあの感動をまた身近に感じることができると思うと、それを思うだけでなんとこころが踊るだろう。時間がたって、ふたりが変わったにせよ、その変わったものも変わらぬものも、どちらもが感動の源泉であることはまちがいあるまい。その体験に立ち会うことのできる日がもうすぐやってくるかと思うと、いまから待ち遠しい。

[ゲイリー・バートンさんに関する関連投稿]

まもなく来日~ゲイリー・バートン & 小曽根真:face to face / gary burton & makoto ozone [1994]  http://bit.ly/9TcyFE

まさに、ピアソラのグルーブ感そのままに・・・ゲイリー・バートンのピアソラ・アルバム[GARY BURTON LIBERTANGO ~ The music of Astor Piazzolla](2000)
https://undecuplet.wordpress.com/2010/05/31/1019/

スタン・ゲッツの泣き節が炸裂~アーサー・フィードラー指揮ボストン・ポップスとの競演:STAN GETZ & ARTHUR FIEDLER AT TANGLEWOOD BOSTON POPS
https://undecuplet.wordpress.com/2010/05/03/bostonpops/

チック・コリアとゲイリー・バートン~オーケストラとの見事な共演:THE NEW CRYSTAL SILENCE /CHICK COREA & GARY BURTON
https://undecuplet.wordpress.com/2010/04/08/new-crystal-silence/

VIRTUOSI:ゲイリー・バートン&小曽根真/Gary Burton & Makoto Ozone
http://bit.ly/c1pDwg


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