投稿者 undecuplet | 2010/02/13

グルダ・プレイズ・ショパン(chopin)~鬼才グルダ(Friedrich Gulda)の即興演奏

guldachopinバッハやモーツァルトの演奏で知られる、オーストリアのピアニスト、フリードリヒ・グルダ(Friedrich Gulda)。もう没後10年になったんですね。

今回は、彼のショパン、「グルダ・プレイズ・ショパン」(こちらで試聴できます)。2月5日発売になったばかりの新譜です。グルダがショパン演奏に最も集中的に取り組んでいた1950年代半ばのコンサート・ライヴによる24の前奏曲集、4つのバラードなどもりだくさんです。

ショパン:
・ピアノ協奏曲第1番 op.11(録音時期:1954年2月)
エードリアン・ボールト指揮、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
録音方式:モノラル(セッション)デッカ音源

・24の前奏曲集(全曲)op.28(録音時期:1955年4月、5月)
・4つのバラード(全4曲)(録音時期:1955年3月)
・ノクターン第13番 op.48-1(録音時期:1960年7月)
・舟歌 op.60(録音時期:1960年7月)
・ノクターン第5番 op.15-2(録音時期:1956年5月)
・ワルツ ホ短調(遺作)(録音時期:1955年3月)
・ノクターン第17番 op.62-1(録音時期:1986年7月)
ライヴ音源(初出)

グルダ:
・Epitaph for a Love(パウル・グルダ所蔵によるグルダ即興録音)
初めてきく録音も多く、彼らしい巧みなタッチが楽しめます。

しかし、なんといってもすごいのは、2枚目のアルバム最後に収録されている、息子パウル氏が所蔵していたというグルダの即興演奏曲「Epitaph for a Love」。これにはまいりました。これを聴くためだけに、このアルバムを買っても決して後悔はしないでしょう。

スタートはまるでジャズです。彼はずいぶんとジャズバンドでも活躍しましたが、これは見事なまでの即興ジャズとクラシック現代楽曲の混合版です。しかし、よく聴くとジャズピアニストにしては、あまりに巧みで硬質なタッチのピアノプレイ。そのおそるべき技巧にただのジャズナンバー演奏と安心していると、おもわず息をのむのです。

そして歌。ソウルのような、あるいは語りのような歌曲が登場します(Entfernung[Epitaph fur eine Liebe])。野坂昭如のバラードのような歌唱とでもいうべきでしょうか・・。とてつもなく人間的な歌声と、おそるべき精緻なテクニックのピアノが両輪のようになってふりそそいできます。圧巻です。

グルダの来日公演でも、多くの場合、クラッシックデーとジャズデーに分かれていた記憶があります。その意味で、この彼のオリジナル作品はもちろん録音が他のものとは異なる時期のものなのですが、こうして連続的に奏でられるとあらためて、グルダの大きさというものを感じます。ただ単に両刀遣いというだけでなく、どちらにおいても天才であった・・いや鬼才という呼び方の方がふさわしいのかもしれません。

彼の前にも彼の後にも、グルダはグルダしかいなかったと思い知らされるた気持ちになる貴重な1枚です。


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