投稿者 undecuplet | 2010/02/18

グレン・グールド(GLENN GOULD)によるベートーヴェン(BEETHOVEN)田園(pasotral)~リスト(LISZT)編曲によるピアノ版 

gould世の中はバンクーバー・オリンピック一色。バンクーバーといえばカナダ。カナダといえば、グールドですね。そして今回は「田園」です。ベートーヴェンの田園です。しかも、グールドの「田園」なのです。

ベートーヴェン(BEETHOVEN)~リスト(LISZT)編曲によるピアノ版

・交響曲第五番ハ短調 作品67「運命」
・交響曲第六番ヘ長調 作品68「田園」第一楽章

ピアノ:グレン・グールド (GLENN GOULD)

グールドについては説明の必要もないでしょう。1932年トロントに生まれ。7歳にしてトロント王立音楽院に合格。1946年5 月トロント交響楽団と共演しピアニストとしてベートーベン「ピアノ協奏曲第4番」で正式デビューし、同年10 月、トロント王立音楽院を最年少で最優秀の成績で卒業。その後、1947年に 初リサイタル。
1955 年には、米国で公演。ニューヨークでの公演直後、米国CBSのディレクターがグールドの演奏に惚れ込み、終身録音契約が結ばれます。しかし、デビュー盤としてグールドは、プロデューサーなどの反対を押し切り、バッハの「ゴルトベルク変奏曲」を録音。1956年に初のアルバムとして発表されるや、ルイ・アームストロングの新譜を抑えてチャート1位を獲得。
まさに破竹の勢いのスタートだったわけですが、その後、コンサートをきらい、録音に徹したのも有名な話です。

通常の交響曲の「田園」にくらべ、ゆったりとしたスタート。しかし、それはまぎれもなく田園であり、しかし、そこにみえてくる田園風景は、ふだん聴くいわば絵画的田園ともちょっと異なり、やや知性的にデフォルメされた田園風景です。

ところで、今回はリスト編曲の「田園」。編曲という行為そのものをどうとらえるかは、また別の機会にするとして、グールドは、いわばピアノの聖人・リストのアレンジをさらに換骨奪胎して、まさに新しい田園をつくりだしているのです。これはすなわち、「田園」であって、しかも「グールド」そのものなのです。

その意味で、まったく新しい「田園」(しかし、どうころんでも「田園」であることはかわらないのです)をこのCDで体験するわけですが、これを聴きながら、何かこれに似た体験を思い出しました。そうです・・先日もご紹介したリハーサルビデオでみた清水靖晃さんのゴールドベルグです。

これまでも、クラッシックとジャズの両刀遣いというかノン・ジャンルの人をずいぶんととりあげてきました。これらの人たち、どうもいくつかの方向性にわけられるのかもしれません。ひとつは、ジャズやポピュラーのアーティストがクラシックを取り扱うもの・・デオダートやボブ・ジェームス、ひょっとしたらジャック・ルーシェなどもこの領域にはいるのかもしれませんね。
もうひとつの領域が、いわばグルダのようにクラッシック・アーティストながらジャズを演奏する人たち。昨日のプレヴィンもこの範疇にはいるのかもしれません。
そして、もうひとつの領域が今日のグールドや先日の清水靖晃さんのように、すべてを包含したまったくのオリジナル・スタイル。その演奏するものがすべて一種「編曲的」であり幻惑的なのです。オリジナル曲そのものでもあるのだけれども、それでいながらグールドや清水靖晃そのものにもなってしまう・・まるで新しいスタイルのものをつくりだしてしまうタイプ。音楽の本質の抽出と再構築を楽しむ、広義の意味でのアレンジャー、いわばリ・スタイリストでも呼ぶべき人たちなのかもしれません。

オリンピックでバンクーバーの風景がうつるたびに、それにしても、なぜこうカナダは、こうもチャーミングなピアニストを輩出するのだろうと思います。トロントやトロント大学をかつて仕事で訪れたことがあるのですが、とても穏やかな町なみ、土地柄、そして確かに人々は温厚で、いい土地でした。このやわらかな風土が特異なグールドのありようそのものをつつんでいたのかと思うとちょっとうれしい気分になったことを思い出しました。今夜もまたカナダからの中継を楽しみながら、グールドの姿を回想しつつ夜が更けることでしょう。


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