投稿者 undecuplet | 2010/02/22

Tokyo Copywriters’ Street Live の夜

tcsltickets土曜日、待ち遠しかった「Tokyo Copywriters’ Street Live」が開催されました。会場は、岩本町のTUC(Tokyo Uniform Centre)・・老舗のジャズ・ライブハウスです。公演は、ショートとレギュラーの2段重ね、次のようなプログラムでした。

ショートプログラム
●時間のはじまりの岸辺で 大川泰樹(中山佐知子)
●世界でいちばん長い日 清水理沙(細川美和子)
○短編 大川泰樹(保持壮太郎)
○短編 清水理沙(細田高広)
○短編 坂東工(中村直史)
○短編 西尾まり(国井美果)
●トワイライト 坂東工(小松洋支)
●猫日記 西尾まり(一倉宏)
●その駅を降りて 坂東工(小野田隆雄)
○短編 西尾まり(上田浩和)
○短編 坂東工・西尾まり(張間純一)
●プライド硬度計  山本高史(山本高史)
●できれば土に 清水理沙(中山佐知子)
●この宇宙に生まれたすべてのものに 大川泰樹・清水理沙(中山佐知子)

レギュラープログラム
<前 半>
●一軒宿の日記 大川泰樹(中山佐知子)
○短編 大川泰樹(保持壮太郎)
○短編 清水理沙(上田浩和)
●バイカル湖に伝わる物語 清水理沙(小野田隆雄)
○短編 坂東工(国井美果)
●雪の絵日記 西尾まり(小野田隆雄)
●ぐるっとまわってマフラーの歌 清水理沙(一 倉宏)
○短編 西尾まり(中村直史)
●Mr.エアターミナル 坂東工(薄景子)
●匂い  清水理沙 (佐倉康彦)

<後半>
●大川泰樹 僕にはきみがわからなかった(古川裕也)
○短編 大川泰 樹・清水理沙(細田高広)
●3月は握手をして 清水理沙(一倉宏)
○短編 西尾まり(細田高広)
●イースター島の風 坂東工(小野田隆雄)
●赤ちゃん警察 西尾まり(国井美果)
○短編 清水理沙(古田彰一)
●窓のなか 坂東工 (岡本欣也)
○短編 坂東工・西尾まり(張間純一)
●アラスカの雪の上で 大川泰樹(中山佐知子)
●夢を話せば 坂東工・西尾まり(一倉 宏)

今回の全体の司会は、大川さん。いつもナレーションをお願いしているときには、物静かなイメージがあるので、この催しを仕切っているのを拝見して、新しい大川さんを発見したみたいで、ちょっとうれしくなりました。

10年ほど前、まだJ-phoneがあった頃だからもっと前からかもしれませんね、FMラジオのCMでいくつか気に入ったものがあったのですが、そのひとつがJ-phoneのものでした。独特の語り口、体言止めが似合うその声に、ぼくは一目惚れでした(一聴惚れというのが本当かもしれませんが)。たまたま同時期、NHKのコンピュータ関連のドキュメンタリーでとても素敵な語りを発見し、クレジットで早速確認、調べてたどっていくとJ-PHONEと同じ方だとわかり、大川さんにたどりついたのが、彼を知るきっかけでした。

それ以降、機会あるごとに仕事をお願いしているのですが、その彼から「仲間とライブをします」とご案内を受けてからはや3年。今年ですでにこのライブも3回目となりました。僕は、残念ながら1回目の曼荼羅での会はいけなかったのですが、昨年のJZ BRATにひきつづき、今回はTUCでの会にお邪魔しました。

この催し物を説明するのはなかなか難しい作業です。どこにもたとえるものがなく、また独特の快楽と独特の空気で満ちているからです。かつて、谷川俊太郎さんがコピーライターと詩人は、同じ職業というようなニュアンスのことを語っていましたが、まさに、そうなのでしょう。コピーライターの催し物でもあり、詩の朗読会のようでもあります。
コピーライターは、広告主があってなりたつものですが、この催しで語られるコピーには、特定の広告主はありません。でも、かつてのサントリーや西武、資生堂、NTTデータのような大手の広告主が文化の担い手のひとりであったように、そこに息づいていた、骨太の文化の匂いが、なつかしい匂いがここにはあるのです。

経済激変の中、新聞もかつての位置を失いつつあり、読ませる全面広告はほとんど壊滅しました。テレビも聴かせる、考えさせる・・そういったCMも姿をかなり消しました。一社提供のスペシャル番組を見る機会もほとんどなくなったのですから、そういう時代なのでしょう。

その是非を問うてもしかたがないのですが、かつての一社提供の中には、文化の香り高いものも多くありました。30年ほど前、日曜の午前中にあった、サントリーの「対談ドキュメント」など、番組とCMが一体となったものすべてが、子供心にあこがれの番組でした。そして、時がすぎ、僕は縁あって「対談ドキュメント」をつくっている会社に就職することになります。そのときは、そんなこと忘れていたのですが、中に入ってみて「その匂い」が僕を誘っていたことに気づかされました。その張本人が、その番組のプロデューサーであった萩元晴彦でした。

萩元晴彦は、TBSラジオに入社。数々の受賞ののちに、TBSテレビにうつり、やがて独立して日本で最初の制作プロダクションをつくりました。サントリーホールやカザルスホールの総合プロデューサーとしても知られています。

それからいつの時も、ともに仕事をするときも、若気のいたりで喧嘩をしたときも、つねにつねに萩元は僕の師でした。そういうと彼から、弟子にしたおぼえはないといわれそうですが、僕は彼からずっとずっと、あらゆることを学びました。
このあたりのことは、きっとまた詳しく書く機会があるかもしれませんが・・もう彼が亡くなってことしで9年になります。

この「Tokyo Copywriters’ Street Live」にきたとき・・・本当に不意にだったのですが・・・萩元がもっていた文化の香り、匂い立つ文化の矜持のようなものが、そのときの、そこにあったような香りが舞い戻ったような気にさせられたのです。
なぜそう思わされるのか・・その理由を深く詮索している余裕を僕はまだ持たないのですが、とにもかくにも、ある時代を超えてきた尊敬するコピーライターの方々、小野田さん、一倉さん、中山さん・・が一堂に介して、すてきな語り手たち、大川さん、西尾さん、坂東さん、清水さんたちがことばをつむいでいくのです。50~60人ほどの観客と出演者が一体となって、同じ空間をそれぞれの人々の共感と共鳴と共振で満たし、それはそれはある種独特な濃密な時空間が創造され、たち消えていきます。

このライブに導いてくれたのは大川さんですが、そして大川さんと萩元さんは面識はないでしょうが、いつしか、僕の中では萩元と出会ったときの悦びを呼び覚ます大切な時間となっていました。恥ずかしさを忍んでいえば、まるで赤い糸とでもいうべきなのか、僕にとって大切なものどうしがふしぎな関係で結ばれていった・・そんな感じなのです。

プログラムは、とても素敵な演目も多かったのですが、つづきはまたこのつぎにでも。今日は、この催しの僕にとってのふしぎな出会い感をお伝えして、この辺で失礼することにします。読んでくださってありがとう。

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