投稿者 undecuplet | 2010/02/23

デュエット(duet):ビレリ・ラグレーン&シルヴァン・リュック(Sylvain Luc)~フランス人的個性の競争と協調の楽しさ

duet先日、デュオが音楽の究極の形のひとつ・・と書きましたが、それの好例が今日ご紹介する、「Duet ~Biréli Lagrène & Sylvain Luc」です。
こちらで試聴できます。

1. Time After Time(タイム・アフター・タイム)
2. Douce Ambiance(心地よい雰囲気)
3. Estaté(エスタテ)
4. Made in France(メイド・イン・フランス)
5. Ballade Irlandaise(アイルランドのバラード)
6. Isn’t She Lovely(かわいいアイシャ)
7. Road Song(ロード・ソング)
8. Zurezat(ジレッザ)
9. Stompin’ at the Savoy(サヴォイでストンプ)
10. Amoureux des Bancs Publics(公園のベンチの恋人たち)
11. Blackbird(ブラックバード)
12. Syracuse(シラキュース)
13. Looking Up(ルッキング・アップ)

ふたりのギタリスト、シルヴァン・リュックとビレリ・ラグレーンのアコースティック・ギター2本によるまさに一騎打ちのような、それでいてなんとも心地よいアルバムです。そう、ある種アカペラのような空気とでもいうといいのかもしれません。

リュックは南仏バイヨンヌ出身。ギターを5歳からはじめ、9歳ですでに兄と一緒にレコードデビューまでしたとか。クラシック系の出身で、10歳でチェロもはじめ1982年には、サン・セバスチャン国際フェスティバルで優勝までしています。ジャンゴ・ラインハルトからジェフ・ベックまで彼に影響及ぼしたギタリストは幅広く、若いうちからアル・ジャロウ、スティーブ・ガットなどとの共演も多くあります。クラッシック、ジャズにとどまらず、ボサノバやシャンソン、ジプシー・ミュージックまで本当にさまざまな音楽シーンを自由にいききてきるプレイヤーのひとりです。

もうひとりのビレリ・ラグレーンは、1966年アルザス地方にジプシーの家族のもとに生誕。お父さんがギタリスト、最初のコンサートは4歳の時といいますから、こちらも本当に天才。1993年には、仏ジャズ・ミュージシャン大賞ジャンゴ賞を獲得。本当にむかうところ敵なしのすばらしいギタリストです。

このアルバム、とにもかくにもききどころ満載です。ふたりのギタリストの、その卓越したテクニックはあたりまえとして、その幅広い音楽性がすごいのです。ストレートなジャズ曲~ポップス~ボサノバ~バラードと様々な楽曲で絶妙なアプローチ、トーンで聴かせてくれます。

1曲目は、シンディー・ローパー「タイム・アフター・タイム」。タック・アンドレスの演奏でも知られるこの曲を本当に楽しげに、奏でます。2曲目ジャンゴ・ラインハルトの「心地よい雰囲気」は、途中、リードギター・バックギターの立場を入れ替えながら、ハイ・スピードに軽やかにかけぬけます。
4曲目の「メイド・イン・フランス」・・ラグレーンのジプシーライクな曲は、もうとても巧みにラグレーン節が泣かせます。5曲目の民謡も静かなバラード調にまさにギターの音色を楽しませてくれます。
でもなんといっても一番のオススメは6曲目はスティービー・ワンダーの「かわいいアイシャ」。バックギターとリードをそれぞれ入れ替えながら、もう本当にただただかっこいいのです。ぜひご試聴ください。
このあともウエス・モンゴメリーの「ロード・ソング」、ベニー・グッドマンの「サヴォイでストンプ」やビートルズの「ブラックバード」ととにもかくにも幅広いジャンルの曲揃え。そのどれひとつとっても完成度が高く、2本のアコギが自由に世界を繰り広げ、他に何も必要としない・・・まさに心地よい世界がくりひろげられるのです。
そして最後は、10年ほど前に急逝した天才ピアニスト、ペトルチアーニの「ルッキング・アップ」。

このアルバムは、フランス・ドレフュス・レーベルのもの。アコーディオンのガリアーノさんや、ペトルチアーニなどフランスの香りが満ちた素敵なアルバムがたくさんこのレーベルから発表されています。このアルバムもいわばこのドレフュス・レーベルのある種、全盛期の1枚といえるかもしれません。

とにもかくにも、このアルバム・・まさに本当にデュエットなアルバムです。そして、このデュエットという言葉の奥行きの深さを、思い知らせることになるアルバムでもあります。日本人の仲良しデュエットというようなニュアンスとは異なり、フランスならではの、それぞれの個性の競争と協調・・・すべてが個人のもとにある・・まさにフランスを感じることになるアルバムなのです。おすすめの1枚です。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

カテゴリー

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。