投稿者 undecuplet | 2010/02/25

87歳の名バイオリニスト ステファン・グラッペリ(Stephane Grappelli)と天才ピアニスト ミシェル・ペトルチアーニ(Michel Petrucciani)の奇跡の出会い~フラミンゴ(flamingo)

falmingo今日もまさにデュオというイメージのアルバム。フランスの生んだ偉大な巨匠ステファン・グラッペリと天才ミシェル・ペトルチアーニの「フラミンゴ」です。ベースのジョージ・ムラーツとドラムスのロイ・ヘインズを加え、バイオリンとピアノの至高の音楽が奏でられます。フランスの香り高い文句なしのジャズ・スタンダードの名盤です。

FALMINGO : Stephane Grappelli / Michel Petrucciani
こちらで試聴できます

1. These Foolish Things
2. Little Peace in C for U
3. Flamingo
4. Sweet Georgia Brown
5. I Can’t Get Started
6. I Got Rhythm
7. I Love New York in June (aka How About You)
8. Misty
9. I Remember April
10. Lover Man
11. There Will Never Be Another You
12. Valse du Passe

ステファン・グラッペリ(Stéphane Grappelli)は、1908年フランス生まれ。ジャズ・ヴァイオリニスト。ジャズ・ギタリストのジャンゴ・ラインハルトとの共演もよく知られています。戦前から活躍し、とにもかくにもずっとジャズ・ヴァイオリニストの第一人者でした。
日本にも、何度か来日し、そのたびに洒脱な演奏を披露してくれていました。若手の育成にも熱心で、ライブのときなども、若手ベーシストなどが育っていくのをまぶしげにみている風景がいまも浮かびます。(そう、往年のレス・ポールがニューヨークのライブハウスで若手と毎週のように演奏していましたが、そのときにも若手を見守る目に同じようなやさしさが宿っていたのを思い出します。譜面や練習だけで指導するわけでなくライブで伝承してくジャズならではの、晩年のジャズマンの共通する素敵な一面です)

この録音の時点で、すでにグラッペリは87歳。ペトルチアーニは32歳ですので、その歳の差といったら、とんでもなくすごい先輩、後輩なのでしょうが、このふたりに流れている音楽の信頼関係はそのようなものをおくびにもだしていません。ただただ音楽の神様に導かれるように、ふたりで、ジャズ・スタンダードのあるべき音楽をつむぎだしているのです。

一方のミシェル・ペトルチアーニ(Michel Petrucciani)は1962年生まれ。フランスのオランジュでイタリア系フランス人の家庭に生まれました。遺伝的原因から、生まれつき骨形成不全症という障害を背負っていて、この障害のため、彼の身長は成長期になっても1メートルほどにしか伸びず、骨はもろく、またしばしば肺疾患に苦しめられたといいます。

13歳で最初のコンサートを迎え、18歳の時に初めてトリオを組んでいます。彼の骨は非常にもろかったので、いつも演奏のときには、演奏席までは他人に運んでもらい、またペダルに足が届かないためペダル踏み機を使っていたのは、彼のライブを見たことのある方ならご存じでしょう。しかしそれなのに、いったん彼のプレイがはじまると、その姿からはまったく想像できない、いわゆる一般のピアニストをはるかに凌駕した鋭い独特のタッチのものでした。

その彼もニューヨークで急逝して、もう11年になります。
遺体はパリのショパンの隣のお墓に埋められているといいますから、いかにフランス人からその能力を認められたピアニストだったことがわかります。本当にピアノのために生き、ピアノとともに人生を送った、そんなまさに他に比類をみないピアニストのひとりでした。

演奏はといえば、87歳という年齢を微塵にも感じさせない流麗なバイオリンさばきと、身体のハンディキャップなどまったく超えた硬質なピアノタッチの見事な調和でアルバムは展開されます。

もう、どの曲もジャズ・スタンダードのオンパレードで、しかも、ふたりの愛らしい信頼関係がなんとも素敵なのですが、その中でも特におすすめは、まずは、アルバムタイトルでもある、フラミンゴ。そして、 アイガットリズム、ミスティー、I remember April・・・やはりキリがありませんね。手練れたグラッペリのプレイがテンポよく、また独特の人の心を射るような容赦なく硬質でそれでいてとてつもなくうまいピアノが共鳴しあって、フランスのエスプリあふれた感じに仕上げていくのです。

ともに、いかに音楽を愛していたか・・それが伝わってくるアルバムです。このアルバムの録音ののち、グラッペリは2年で、ペトルチアーニが4年で亡くなったことを思うと、なんと奇跡なアルバムなのだろうとあらためて思わされるのです。ぜひまずは試聴してみてください。まさに一家に一枚、オススメのアルバムです。

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