3月ももう終わり。別れがあり出会いがある・・年度をまたぐこの微妙な時間は、何かこころが落ち着かないそれでいてちょっとさびしい、一年でもこの時期だけに感じられる独特の感覚の時です。こんな日にはこころのちょっとした隙間をきっと埋めてくれるガトー・バルビエリがいいかもしれません。
ガトー・バルビエリ(GATO Barbieri)
chapter one : latin america
1. Encuentros
2. India
3. La China Leoncia Arreo la Correntinada Trajo Entre la Muchachada la Flor de la juventud
4. Nunca Mas
5. To Be Continued
どことなく懐かしい響きとパワフルなブローがひとつになったガトー・バルビエリの1973年のアルバムです。フリー・ジャズを視野に入れながらも独特の哀愁味を感じさせるブローが不思議な雰囲気を醸し出しています。
ガトー・バルビエリは、1932年生まれ。アルゼンチン出身のテナー・サックス奏者です。12歳の時にチャーリー・パーカー(sax)の演奏に衝撃を受けてクラリネットを始め、その後すぐにアルト・サックスに転向、地元の人気グループであったラロ・シフリン(p)のオーケストラに参加、50年代後半にはテナー・サックスに転向して自身のバンドを率いるようになり、活動の拠点をヨーロッパへ移しました。60年代から自身のルーツであるラテン要素や様々なワールド・ミュージックを音楽に取り入れ、72年にはベルナルド・ベルトリッチ監督の映画『ラスト・タン ゴ・イン・パリ』で音楽を担当し、作曲家/コンポーザーとしても世界的にも知られるようになりました。
アルバムは、1曲目の「Encuesntros」から、とにもかくにもアルゼンチンの香りたっぷりの、ガトー・バルビエリ節炸裂です。ベルトリッチの「ラスト・タンゴ・イン・パリ」を思わせる、泣きっぷりがいいのです。そのもち味でたっぷりと聞き手をみちびきこんだあとは、2曲目「India」ではアンデスの匂いたっぷりに、ラテンの民族音楽風情感を聴かせてくれます。そして3曲目は、まさに演歌。ガトー・バルビエリの魅力は結局のところ、彼にしかない、ある種の土着性なのかもしれません。しかし、この3曲目をきくと、国境を越え、彼の祖国アルゼンチンでも、私たち日本でも、その精神構造の根幹にある音楽はまったくといっていいほど共通なのではないかとさえ思わされたりもします。
4曲目「Nunca Mas」は、まったく方向性を変え、お洒落なフランスの香り。アコーディオンとの掛け合いで、サックスという楽器の魅力を十分に堪能させてくれます。
サキソフォン・ファンには絶対必携の1枚です。おすすめです。
ガトーのアルバムは総て所有しております!!!
中でもお気に入りは・・・此の珍しく本人が唄う・・・
“Yo Le Canto a La Luna – Gato Barbieri ”
最高です!!! mrblack605
By: mr_black on 2012/09/22
at 5:55 pm
コメントありがとうございます。すべてお持ちとはうらやましいです。これからもいろいろきいてみます。ありがとう。
By: undecuplet on 2012/09/25
at 6:05 pm