投稿者 undecuplet | 2010/04/04

最新で最高のガーシュイン~ティボーデのピアノコンチェルト・イン・エフ:JEAN-YVES THIBAUDET PLYAS GERSHWIN

thibaudet春ののどかな休日・・こんな日には、ガーシュインはいかがでしょう。


THIBAUDET PLAYS GERSHWIN
ジャン=イヴ・ティボーデ(Jean-Yves Thibaudet)

ガーシュウィン:
ラプソディ・イン・ブルー Rhapsody in Blue
『アイ・ガット・リズム』変奏曲  “I got rhythm” Variations
ピアノ協奏曲ヘ調 Piano Concert in F
ジャン=イヴ・ティボーデ Jean-Yves Thibaudet(ピアノ)
ボルチモア交響楽団 Baltimore Symphony Orcestra

ティボーデが語られるとき・・卓越した技巧をもち、才気溢れる、詩的で驚異的な名手・・・マスコミが彼を称えることばにはいつも最高の賛辞がふくまれています。感性、幅広い色彩と質感・・今回のガーシュインのアルバムでも、彼のその持ち味は最高に発揮されています。

ティボーデはフランス人とドイツ人の血を受け継ぎ、1961年、フランスのリヨンに生まれました。5歳でピアノを始め、12歳でパリ音楽院に入学し、アルド・チッコリーニ、そしてラヴェルの友人であり仕事仲間であったリュセット・デカヴに師事。15歳の時にパリ音楽院の最優秀賞を受け、その3年後にニューヨークで開催された若手コンサート・アーティスト・オーディションで優勝を果たしました。2001年、フランス共和国より芸術文化シュヴァリエ勲章を授与。2002年、イタリアのスポレート音楽祭は、彼の芸術における業績と、同音楽祭への長年の関与を称え、ペガサス賞が贈られています。

レコーディングではデッカと専属録音契約をしており、これまでに30枚を超える録音をリリースしています。これまでの録音はシャルプラッテン賞、ディアパソン賞、ショック賞、グラモフォン賞、エコー賞(2回)、エディソン賞を獲得、グラミー賞にもノミネートされるほど、彼の演奏だけでなくその録音に対する真剣さのあらわれかもしれません。
今回のこのアルバム、ガーシュインのアルバムとして、最新にして最高のアルバムの1枚でしょう。2009年11月のライヴ録音ですが、音色の切れ味は、ライヴ盤とは思えぬほどすばらしいもの。傑作です。

ティボーデは現代のピアニストでありながら、ヴィルトゥオーソの伝統をも汲むピアニストとしてよく語れます。超絶技巧がありながら、メカニックな演奏技巧のやみくもな披瀝に終わることなく、作曲者の意図の再現のために、あるいはまた理想の音響を実現するための工夫・配慮が随所に感じられるからです。

そして今回のアルバムも彼のいつもの演奏と同様、すばらしい演奏技巧とともに、オーケストラを含む楽曲全体としての完成度がすばらしく高い作品です。
録音としての完成度も高く、ピアノだけでなく、各楽器の鮮明さと、奥行き感と、ライヴのグルーブ感と、コンサートホールのようないい感じのひろがりのある体積のある空気を感じられます。ピアノコンチェルト・イン・エフでは、出だしの、ティンパニーの振動からしてとてもきもちよく響いてきます。それにつづく、ピアノパートもピアノの弦をたたく感触のなまめかしさと音楽としての構成感がとてもいい感じでバランスがとれているのです。コンチェルトの録音にありがちな、オーケストラとソロ楽器の分離という不自然さもなく、楽曲全体がいい感じで一体となっていて楽しくせまってきます。

そして、これらすべてを通じていえるのは、彼のガーシュインに対する解釈の現代性、そしてそれを演奏という形で実現できる彼のテクニックの確かさでしょう。決して唯我独尊ではなく、抑制のきいた知性とでもいうべき、興趣深さで満ちているのです。ぜひ、一聴をおすすめします。まだ気の早い話ですが、現段階でいえば、今年ナンバーワンのCD候補最右翼の一枚です。おすすめです。

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