投稿者 undecuplet | 2010/04/18

新しいトライアルから:小曽根真~ロード・トゥ・ショパン

roadtochopin昨夜の東京は冬にまいもどったかのようでした。今日は、うってかわって春の一日。春らしい陽射しのもとで、小曽根さんの最新アルバムです。

road to chopin / Makoto Ozone
小曽根真

1 無くてはならぬものの無く
2 マズルカ 第13番 イ短調 作品17の4
3 ワルツ 第6番 変ニ長調 《子犬》
4 前奏曲 第4番 ホ短調作品28の4
5 練習曲 第4番 嬰ハ短調 作品10の4
6 前奏曲 第15番 変ニ長調 作品28の15からの即興
7 マズルカ 第24番 ハ長調 作品33の3からの即興
8 ワルツ 第7番 嬰ハ短調 作品64の2
9 マズルカ 第40番 ヘ短調 作品63の2
10 ポロネーズ 第3番 イ長調 作品40の1《軍隊》
11 夜想曲 第2番 変ホ長調 作品9の2
12 マズルカ 第2番とポーランド民謡

日本のジャズ・ピアニストの第一人者、小曽根真さんがクラシックのショパンのピアノ作品からインスパイアーされたさまざまなショパンを演奏する1枚です。
NYで活躍しているグレゴアー・マレさんも2曲で参加。彼が奏でるハーモニカ、ちょっとシールマンス風でもあり、音数の少ないいい感じのデュエットになっています。
録音は、ワルシャワのルトスワフスキ・スタジオで収録され、ポーランドのショパン・インステュートの公認レコーディングとなっているとか。ヤマハらしいピアノの音色といい、とてもいい録音です。

「子犬のワルツ」ではショパンのメロディーに、なつかしい小曽根節が炸裂します。「ワルツ 第7番」も原曲を聴かせつつ、小曽根さんならではの展開。一方、「練習曲 第4番」は譜面のまま。清水和音さんの個人指導を受けたといっていましたが、その努力が伝わってきます。

youtubeに彼のこのアルバムに関するインタビューがあるのでみてみましょう。

小曽根さんが、このyoutubeのビデオの中で、「ポーランドの人に対して冒涜にならないか」「これを世界に対して発表していいのか」・・とさかんに、自身に問いかけをしているのに気づきます。さまざまに、もだえ、自問自答しているかのようです。

そして「クラシックの教育を受けたことのない自分が・・」というフレーズもでてきます。しかし、発表されてしまった音楽アルバムは、本来すでにクラシックとかジャズとかという分類があるわけでもなく、ただ「音楽」という表現でしかないはず・・です。たぶんそんなことは百も承知でありながらも、あえて最後までそういった問いかけをしてしまうこと自体に、彼自身が今回のプロジェクトに感じている、ある種の成功と苦悩の両面があったのだろうとも想像してしまいました。

ショパンイヤーの今年。ラ・フォル・ジュルネもショパン一色ですし、そこで小曽根さんのコンサートもたくさんあります。梶本音楽事務所に所属する彼がもっとも活躍するだろう場です。多くの方が、はじめて小曽根さんの音楽を聴いて、音楽の楽しみを知るでしょうし、そこから、さらに多くの音楽ファンが広がり、音楽愛好家の輪が広がっていくでしょう。まさに「音楽大使」としての小曽根さんの姿が目に浮かびます。

そしてまた、6月にはゲイリー・バートンとデュオのコンサートで全国ツアーをめぐります。ジャズ・アーティストとしての小曽根さんに会うことができます。かつてからのファンにとって待ちに待った彼の姿でもあります。

そのどちらも小曽根さんであり、どちらも音楽を愛する彼の表現のかたちのひとつであり、そのどちらかだけが小曽根さんというわけではないのでしょう。でもだからこそ、インタビューにさえ、ストレートに苦悩の片鱗を語ってしまう彼の一面もまた小曽根さんならではのことなのかもしれません。
どのような時でも、常にトライアルの精神で挑み、常に真芯に受け止め、どんなときも逃げることなく、そのありようをすべて飾ることなくみせる姿・・・そう、それこそ彼の魅力なのだ・・・と、ここでまたあらためて気づかされてしまうのです。

小曽根さんの小曽根さんならではのショパン・トライアル・・ぜひ一聴をおすすめします。

関連投稿
※ラ・フォル・ジュルネにはいけなかったけれど・・小曽根真さんのソロ・アルバム「MAKOTO OZONE~BEAKOUT」で春の宵は更けていきます  http://bit.ly/9g3lIu
※至極のデュオ:伊藤君子(Kimiko Itoh)&小曽根真(Makoto Ozone)~モントルー・ジャズフェスティバル・ライブ http://bit.ly/cAsOH3
※DUET : Duet with Makoto Ozone / Satoru Shionoya(小曽根真・塩谷哲) http://bit.ly/9nA6Z7
※JAZZ WONDER:スティービー・ワンダー(Stevie Wonder)・カバー・コレクション~ガトー・バルビエリ(Gato Barbieri)~クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)~小曽根真(Makoto Ozone) http://bit.ly/bZLljx
※VIRTUOSI:ゲイリー・バートン&小曽根真/Gary Burton & Makoto Ozone http://bit.ly/c1pDwg
※ゲイリー・バートン(GARY BURTON) &小曽根真(MAKOTO OZONE) http://bit.ly/a1OsQD

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