投稿者 undecuplet | 2010/05/11

ジョビンとの思い出、懐かしい記憶、満を持して発表された美しきトリビュート・アルバム~トニーニョ・オルタ:ジョビンへの手紙(Toninho Horta / From Ton to Tom)

今日は、ジャズ・シーンでも人気の高いブラジル出身のギタリスト、トニーニョ・オルタ(Toninho Horta)によるアントニオ・カルロス・ジョビン(Antonio Carlos Jobim)へのトリビュート・アルバムです。ジョビンの美しいメロディを、巧みなギター・プレイとアレンジで聴かせています。ガル・コスタ(Gal Costa)も数曲に参加しています。

ジョビンへの手紙:トニーニョ・オルタ

Antonio Carlos Jobim Tribute
Toninho Horta

こちらで試聴できます

1. メディテーション MEDITACAO
2. インフィニト・ラヴ INFINITE LOVE
3. フロム・トム・トゥ・トム FROM TON TO TOM
4. クリスティアーナ CRISTIANA
5. 私の誓い PROMESSAS QUE EU FIZ
6. デサフィナード DESAFINADO
7. 白と黒のポートレート RETRATO EM BRANCO E PRETO
8. モヂーニャ MODINHA
9. おいしい水 AQUA DE BEBER
10. あなたなしで SEM VOCE
11. 想いあふれて(ノー・モア・ブルース) CHEGA DE SAUDADE (NO MORE BLUES)
12. みんながあなたのようなら SE TODOS FOSSEM IGUAIS A VOCE
13. イパネマの娘 GIRL FROM IPANEMA – VIGNETTE,THE

☆アーティスト☆
トニーニョ・オルタ(vo,g)
ヘレン・キム(concert master)
ヘクター・ファルコン(vln)
アニー・グレゴリアン(vln)
トム・チュー(vln)
デヴィッド・ワレス(viora)他

【録 音】1998年4-7月 アヴァタースタジオ(ニューヨーク)

CDのライナー・ノーツから少し引用してみましょう。

ジョビンとの思い出、懐かしい記憶、満を持して発表された美しきトリビュート・アルバム

「僕たちの父親のような存在だったよ」

トニーニョ・オルタは、アントニオ・カルロス・ジョビンとの思い出を懐かしむような表情を浮かべながら、僕にそういった。「僕やドリ・カイミの世代のミュージシャンにとって、彼は父親的な存在だった。それくらい、みんなから慕われていたんだ」

このアルバムについて、トニーニョにインタビューする機会があり、僕がジョビンのことをたずねると、彼は感慨深い様子で語りはじめた。「ギターは10歳の頃から始めたんだ。そして、ボサ・ノヴァは僕が音楽に真剣に取り組むきっかけとなった音楽だった。最初に、ボサ・ノヴァのリズムとかボサ・ノヴァのギターを教えてくれたのは、僕の兄でベース・プレイヤーのパウロだった。その後、ボサ・ノヴァだけでなく、ジャズも平行して聴くようになっていったんだけれどね」「ボサ・ノヴァは僕が影響を受けた音楽の中でも一番重要な音楽だった。リズムとかコード進行とか、音楽を勉強するうえでも役に立ったしね。その後、僕がプロとなり、随分とたってから、ニューヨークでジョビンと会ったんだ。それ以来、彼と友達になってブラジルでも会ったりとかね。…僕にはそれなりの思い入れもあったし、彼が亡くなったときはとても悲しかった。今回のアルバムに入っている“From Tom to Tom”は、彼が亡くなってから15日後に書いた曲なんだ」

(中略)

「僕はいろんな音楽の影響をうけてきた。ディスコで踊るのも好きだし、ラップのグルーブも好きだしね。昔はジミ・ヘンみたいに弾いたこともあったよ。僕はスタイルがどうのこうのというよりも、常に新しい音楽の体験をしたい、というタイプのミュージシャンなんだ。ジャンルとかスタイルに関係なく優れたミュージシャンと新しい音楽をやることができれば、それでハッピーだからね。それがミュージシャンとしての僕の基本姿勢だね。だけど、今回のジョビンに捧げたアルバムは、僕のアルバムとしては珍しく、一つのスタイルに的を絞った作品といっていいかもしれない。つまり、今回のアルバムは、“ジャズ・テイストのボサ・ノヴァ”というスタイルに的を絞った作品といってもいいと思うんだ。具体的にいえば、もともとボサ・ノヴァはジャズの影響を受けているけれど、今回、演奏曲のコードのヴォイシングを僕のテイストに変えようとしたら、ボサ・ノヴァのそれよりもさらにジャジィなヴォイシングになってしまったりしたんだ」

(上村敏明氏執筆のライナーノーツより引用)

オルタさんは、矢野顕子さんとのツアーをしたこともあるなど、来日も多く日本でのファンも多いのではないでしょうか。それにしても、今回のこのジョビン・アルバムは彼の作品の中でも最高傑作の1枚でしょう。

3曲目のオルタさんの作品「フロム・トム・トゥ・トム」・・こどもたちのコーラス、デュエット・ボーカルと趣あふれた作品です。「デザフィナード」や「白と黒のポートレート」など、ジョビン作曲の曲も、オルタさんならではのアレンジも本当にすばらしく、歌とアレンジが見事にマッチングしているのです。「おいしい水」は、もう、イントロからリズム、ベースがクールで、そこに巧みなオルタさんのギターがはいってきます。ダンサブルな感じといい最高です。「みんながあなたのようなら」の少年のヴォーカル、合唱もこの曲の持ち味がとてもよくでています。

まさに、ボサ・ノヴァでもあり、ジャズでもある最高のジョビン・アルバムです。ビデオアーツ・ミュージックからの発売。「Hear the Music」シリーズの廉価版も発売されていますが、元の価格でもぜひおすすめしたい1枚。ボサ・ノヴァ好きにはたまらない、傑作です。おすすめです。


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