投稿者 undecuplet | 2011/12/11

芳醇なサキソフォンの響き・・zig-bach-zag-PENTA バッハと5音音階のシマウマ(清水靖晃 & サキソフォネッツ / 三鷹市芸術文化センター)

清水靖晃は常に流転している。だから彼を知ろうと思ったら、最新の彼を体験するしかない。2011年12月10日に三鷹市芸術文化センターで開催された彼のいわばリサイタルは、その流転の姿を知るにふさわしい一夜だった。

 

 

zig-bach-zag-PENTA バッハと5音音階のシマウマ
清水靖晃 & サキソフォネッツ(江川良子・林田祐和・鈴木広志・東涼太)
三鷹市芸術文化センター・風のホール

 

無伴奏チョロ組曲:第6番 サラバンド
那由他
無伴奏チョロ組曲:第1番 アルマンド
アタメ
無伴奏チョロ組曲:第5番 ガヴォットⅠ、Ⅱ
マテマティカ2メドレー
奇妙で不自然な作り話
消える指輪
かはづとびこむ みずのおと
アリトキリギリス
ちょっとだけレインボー

無伴奏チョロ組曲:第3番 クーラント
キワ
ペンタトニカ
無伴奏チョロ組曲:第5番 クーラント
ドロミティ・スプリング
無伴奏チョロ組曲:第3番 ジーグ

 

フーガの技法:コントラプンクトゥスⅠ
フーガの技法:コントラプンクトゥスⅥ
フーガの技法:コントラプンクトゥスⅨ
はっとるん
あさ
無伴奏チョロ組曲:第6番 ガヴォットⅠ、Ⅱ
エンデンネ・ベルレンニュ
無伴奏チョロ組曲:第2番 メヌエットⅠ、Ⅱ
コエガ
日々の泡
無伴奏チョロ組曲:第1番 ジーグ

 

 

三鷹市芸術文化センター・風のホールは、木の内装がふさわしい響きの素敵なホール。そこで奏でられるサキソフォンの五重奏が、このホールの空間を通じてとてもここちよくミクスチャーされる。

聞き慣れたバッハと、ペンタトニックの新作が交互に演奏されることからzig-zagと名付けられたこのコンサート。前半は緊張感をともなった新作の流れ・・その刺激的な楽しさを味わう。後半では次第に、この交互ということが妙に心地よくなってくる。それはすなわち、zig-zagの境界線が溶け出したような溶融感であり、いわば区分という概念などをのりこえた、清水靖晃&サキソフォネッツの存在そのものの快楽性が真骨頂になるときでもある。

本邦初演となる「那由他」。いわばクラシックの現代新作をきくような体験ではあるが、一方で、聴く者の想像を超える刺激とグルーブ感の一体となった時空間がそこにあらわれ、ある種の境地を楽しめる。

清水靖晃を取り囲む4人の騎士、サキソフォネッツの音色がまた素晴らしい。きくたびにチーム感がでてきているのだけれど、特に今回はひとりひとりの音の素晴らしさと、いわば5人の音の収束が見事で、ぴたっとピントのあった像をつくりだしている感じが、作曲家の意志とあいまって、心地よい。

あっというまの終演。会場をあとにすると、夜空には、輝ける星々と満月。やがて、その姿はかげりをみせ、皆既月食になった。満月から新月にそして満月に・・うつろいやすく、いつも姿を変え続けるいわば、変様そのものが清水靖晃自身であることをまさに象徴するかのような空。忘れえぬ夜となった。

 

 


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