投稿者 undecuplet | 2012/08/04

「カーボンアスリート  山中俊治」を読んで、 オスカー・ピストリウスをみたくなった

オリンピックの陸上競技がはじまった。
陸上競技こそが、いわばスポーツの原点だと、いつも思う。
その均整のとれた美しさが、まぶしいばかりに人間のもつ根源的な美についてあらためて発見を迫ってくる気がするからだ。

山中さんの手による「カーボンアスリート」・・・主に義足の話だ。ブレード・ランナーともいわれる義足をつけて走るアスリートのことがテーマになっている。

今回のオリンピックでもいちばんの関心は、オスカー・ピストリウスだ。両足義足のランナーがはじめてオリンピックの陸上競技に出場する。その美しい走り手の姿をこの目でじっとみてみたいのだ。

オスカーは1968年生まれ。先天的に両足に障害をもって誕生した。オスカーはいままでラクビー、水球、テニス、レスリングなどさまざまなスポーツに挑戦し、18歳より陸上競技をはじめた。そして、パラリンピックにおいては、すでに、100,200,400で背世界記録をもつ世界最強の義足アスリートである。

2008年には、世界陸上競技連盟から一般競技への参加を認めないと断られたがスポーツ裁判所に訴え、くつがえる。北京オリンピックでは、参加のためのタイムに達しなかったが、今回、堂々とオリンピック参加のための標準記録を突破し、競技会で勝利をおさめ、参加するのだ。

山中さんのこの本では、義足というものに「早く走る」という機能に加え、「美しさ」をどう加味していくかということのある種の自問自答が繰り返される。天性のデザイナーである著者が、そもそも美しさの概念がひとかけらもない義足をはじめてみた瞬間、「宝の山」だと思ったという、デザイナーとしての視点で語られるところがまさに山中節だ。

両足義足の方が足の板バネの力で有利だという声はいまでもある。そして、上位進出のためには、肉体改造でもドーピング何でもしてしまうある意味脆弱な人間にとって、そのある種の誘惑が危険な匂いを秘めている気もする。しかし、それを超えて「走り」そのものがどれだけ美しいか・・ということがそもそもの陸上競技の魅力でもあるとき、ある種新しい美しさが参加して今回のオリンピックがどう繰り広げられるのかが楽しみでもあるのだ。

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