投稿者 undecuplet | 2012/08/31

熊坂出監督長編映画「リルウの冒険」が、ソウルで開かれた映画祭:シネマデジタルソウル・フィルムフェスティバルでグランプリと審査員賞をダブル受賞・・・という吉報が入った

ふだん、僕の仕事は、いわば請負大工さん。仕事を発注してくれる人のオーダーにあわせ、最良の映像を提供する仕事が多い。だが、昨年、自分が発注主のひとりも兼ねるという幸せな機会がやってきて、その話に載ってみた。楽しかった。

あるべきゴールのかなりの部分を、出資者たちの合議で決められる。もちろん責任は重いけれど、誰にも気をつかわないことが、こんなにも精神衛生上いいことなのか、と遅ればせながら気づいた次第。

そのいわば、自主映画が、ソウルの映画祭で、いわばグランプリにあたるレッドカマレオン賞と、国際批評家賞にあたるブルーカメレオン賞をダブル受賞した。うれしいものですね。

以下、広報資料より

「リルウの冒険」受賞のお知らせ

リルウの冒険製作委員会

2012/08/30

熊坂出監督映画「リルウの冒険」が第6回シネマデジタルソウル・フィルムフェスティバル【CINDI】(2012年8月22日~28日)におきまして、レッドカメレオン賞、ブルーカメレオン賞をダブル受賞いたしました。関係者のみなさまに、感謝とともにご報告いたします。

<映画祭概要>

第6回シネマデジタルソウル・フィルムフェスティバル(CINDI)

会期:2012年8月22日~28日

韓国のCJグループ(1998年に韓国初のシネマコンプレックス「CGV」を開業、映画製作、映画館経営、CATV向け番組制作・配給サービスを手がける)をメインスポンサーとする映画祭で、愛称シンディ(CINDI)。2007年にデジタルシネマの可能性を見つめる中規模国際映画祭としてスタート。

アジアを俯瞰した視点による新人映画監督の発掘を「アジア・コンペティション」部門として設置し、毎年話題作を紹介。市山尚三プロデューサーが、設立当初よりプログラム・アドバイザーとして参画している。

※2012年度 各賞審査員(敬称略)

レッドカメレオン賞<著名映画監督ほかによる最高賞>

イム・サンス(映画監督/韓国)「ハウスメイド」(2010)「The Taste of Money」(2012)

キム・ヘナ(女優/韓国)「フラワー・アイランド」(2001)「カフェ・ノワール」(2010)

瀬々敬久(映画監督/日本)「感染列島」(2009)「ヘヴンズストーリー」(2010)

ワン・ビン(映画監督/中国)「鉄西区」(1999-2003)「鳳鳴-中国の記憶」(2007)「無言歌」(2010)

ブルーカメレオン賞<国際映画批評家による賞>

バン・イジュン(映画評論家/韓国)

クリス・藤原(エディンバラ映画祭ディレクター/アメリカ)

ウン・ヒギョン:殷煕耕(小説家/韓国)

Gulnara Abikeyeva(ユーラシア国際映画祭ディレクター/カザフスタン)

グリーンカメレオン賞<韓国映画ジャーナリストによる賞>

BECK Una

LEE Hwa-jung

PARK Hye-eun <Movieeeek編集長>

SONG Ho-jin

ホワイトカメレオン賞<観客賞>

CINDIphile,11名による授賞

※過去のレッドカメレオン賞受賞作品

2011年「オールド・ドッグ」 第12回東京フィルメックスグランプリ
2010年「ウィンター・バケーション」第63回ロカルノ国際映画祭金豹賞
2009年「Wheat Harvest」第3回北京インディペンデント映画祭グランプリ
2008年「サバイバル・ソング」第9回東京フィルメックス審査員賞

※過去の日本作品の受賞

井川広太郎監督「東京失格」(第1回 ホワイトカメレオン賞)

高橋泉監督「むすんでひらいて」(第2回 ブルーカメレオン賞)

真島理一郎監督「東京オンリーピック」(第3回 グリーンカメレオン賞)

坪田義史監督「美代子阿佐ヶ谷気分」(第4回 ブルーカメレオン賞)

<映画祭リポート>

2012年の第6回は、オープニング上映作品に故ラウル・ルイス監督の遺作「Night Across the Street」をはじめ、青山真治監督「東京公園」、ツイ・ハーク監督「The Flying Swords of Dragon Gate 3D」、「アニメミライ(2012年)」ほか、バリエーションゆたかな計72作品が上映されました。上映作品のチケットは当日までに完売。最終日の28日は台風が通過し、ソウル市内の学校は休校措置となるなど街中は人影まばらでしたが、全体はまずまずの盛況とのこと。

「アジア・コンペティション」に招聘されたのは全15作品。日本からは藤原敏史監督「無人地帯 No Man’s Zone」松林要樹監督「相馬看花 第一部 奪われた土地の記憶」の福島を舞台にしたドキュメンタリー2作品と、熊坂出監督「リルウの冒険」が参加しました。

「リルウの冒険」上映時のQ&Aでは、主人公たちほぼ全員が俳優ではないこと、撮影と演出の両立について、全て即興なのかシナリオがあったのか、等に関心が寄せられました。

韓国の映画評論家の方が感想として「ゲームとリアル、身体と心、夢と現実、などの対立構造が、哲学的かつ心理学的で、意義深く感じられた」と好意的に解釈してくださったのが印象に残りました。

受賞結果は、

「リルウの冒険」がレッドカメレオン賞と、ブルーカメレオン賞(Eduardo ROY Jr.「Baby Factory」と2作で受賞)のダブル受賞、グリーンカメレオン賞に「Born in Beijing」、ホワイトカメレオン賞に「Modern Family」がそれぞれ選ばれました。

熊坂監督の授賞式での第一声は、「ここ数年間で、いちばんうれしいです」とのこと。心の準備なく壇上にあがったためか、マイクを落とすなどご愛嬌。しかし「(中略)ぼくは監督とは名ばかりで、この作品はスタッフや出演者、みんなのもの。でもこのトロフィーはあげないけどね!」…と、場内を笑わせ、あたたかい拍手をいただきました。

プログラム・ディレクターのCHUNG Sung-ill氏に、「リルウの冒険」は、アジアにおけるインディーズ・デジタルフィルムの未来を感じさせる作品、との評をいただきました。

また、審査員のひとり、クリス・藤原氏には、作り手の立場の人々に“自分もつくってみたい”と思わせる魅力があり希望をもらった、とのコメントをいただきました。

以上、駆け足ですがご報告いたします。

「リルウの冒険」2012 / JAPAN / 117min / HD / color

監督・脚本・撮影・製作:熊坂出

音楽:清水靖晃

出演:ジャバテ璃瑠、仲村渠さえら、ユール・ラミン・ジャバテ、りりィ

「パークアンドラブホテル」(2007)の熊坂出監督・脚本・撮影・編集。演技経験が全くない12歳のジャバテ・リルウと9歳の仲村渠さえらが、自身の生活環境そのままを舞台に監督と共に織り上げた、オリジナルストーリー。熊坂監督は、日本中が喪失感で呆然とした2011年の春休みと夏休みに、那覇で暮らす子どもたちの生き生きとした表情とパワーを映しとり、夢と友情をめぐる寓話的物語を描き出した。

9月21日に、国立近代美術館フィルムセンターにて、PFFの招待作品として、上映されることに。みんなどんな反応なのだろう・・楽しみだ。

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