投稿者 undecuplet | 2019/10/19

魔術師 ソヒエフ  

魔術師 ソヒエフ

N響定期Cプロを聴いた

ソヒエフがふるとN響はまったく別のオーケストラと変身する
艶やかでのびのある弦、明るい管・・
とにかく輪郭のはっきりしたグルーブ感あふれる
オーケストラになるのだ

出演
指揮:トゥガン・ソヒエフ
ピアノ:ニコラ・アンゲリッシュ
曲目
バラキレフ(リャプノーフ編)/東洋風の幻想曲「イスラメイ」
ラフマニノフ/パガニーニの主題による狂詩曲 作品43
チャイコフスキー/交響曲 第4番 ヘ短調 作品36

バラキレフではあかるくあざやかに音楽の歓びを表現し
ラフマニノフ/パガニーニの主題による狂詩曲 では
この難曲をアンゲリッシュ見事に淡々とひきこなす
ソヒエフのくりだすグルーブ感にあわせ、ソリストとしての
ピアニストというよりはオーケストラの一部のように
そのあざとさがないゆえの
テクニックがみごとに今回の曲では見事に調和した
いい協奏曲ピアニストの見本のようなプレイヤーだ

 

ソヒエフは指揮棒をもたない
チャイコの4番では、彼の動きをみているだけで
音楽のグルーブそのものが伝わってくる
この曲のドラマのような展開がN響を通して見事につくりあげられる

ソヒエフがふるとき、N響メンバーの顔が明るい
そして、曲がおわったとき、彼ら全員がとても満足感あふれる
表情をしているのが素敵なのだ
この光景はデュトワ以来かな・・

 

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