魔術師 ソヒエフ
N響定期Cプロを聴いた
ソヒエフがふるとN響はまったく別のオーケストラと変身する
艶やかでのびのある弦、明るい管・・
とにかく輪郭のはっきりしたグルーブ感あふれる
オーケストラになるのだ
出演
指揮:トゥガン・ソヒエフ
ピアノ:ニコラ・アンゲリッシュ
曲目
バラキレフ(リャプノーフ編)/東洋風の幻想曲「イスラメイ」
ラフマニノフ/パガニーニの主題による狂詩曲 作品43
チャイコフスキー/交響曲 第4番 ヘ短調 作品36
バラキレフではあかるくあざやかに音楽の歓びを表現し
ラフマニノフ/パガニーニの主題による狂詩曲 では
この難曲をアンゲリッシュ見事に淡々とひきこなす
ソヒエフのくりだすグルーブ感にあわせ、ソリストとしての
ピアニストというよりはオーケストラの一部のように
そのあざとさがないゆえの
テクニックがみごとに今回の曲では見事に調和した
いい協奏曲ピアニストの見本のようなプレイヤーだ
ソヒエフは指揮棒をもたない
チャイコの4番では、彼の動きをみているだけで
音楽のグルーブそのものが伝わってくる
この曲のドラマのような展開がN響を通して見事につくりあげられる
ソヒエフがふるとき、N響メンバーの顔が明るい
そして、曲がおわったとき、彼ら全員がとても満足感あふれる
表情をしているのが素敵なのだ
この光景はデュトワ以来かな・・
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