平田オリザ演劇展VOL6 は時代の逆説的証左でこれ以上面白いものはない
芝居の感想を語るのは難しい
その場でしか存在しない空間を
再表現するのは
不可能だからだ
音楽のlive 中継よりも
芝居の中継番組が
しらっとするのは
その難しさの
証左といえよう
青年団は
ずいぶんと以前から
こまばアゴラという
自分たちの小屋をもっている
その空間があるからこそ、
生まれる芝居には
一定以上のオリジナリティが
常に見事に昇華されている
だから平田オリザさんの芝居を
みにいくのは、常に楽しみだ
今回見た「平田オリザ演劇展 vol6」の
「隣にいても一人」
は再演・・見事に楽しめた
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『隣にいても一人』
「そりゃ困るよ、急にこんな夫婦だなんて。」
朝目覚めると何故か夫婦になっていた昇平とすみえ。
離婚の危機にある彼らそれぞれの兄と姉。
二組のカップルを通して、夫婦のあり方を淡々と綴っていく平田オリザ流不条理劇。
『隣にいても一人』※A〜Cの3通りのチームで上演します。
【A】山村崇子 秋山建一 海津 忠 林 ちゑ
【B】根本江理 太田 宏 伊藤 毅 福田倫子
【C】藤谷みき 伊藤 毅 吉田 庸 木引優子
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ある朝、突然、「夫婦だ」と確信した
カップルがいくらそのことを述べても
誰からも信用されない
そう、夫婦とは、法律でも客観でもなく
ただただその「夫婦」ということばにだけ委ねられるもの
というのが次第に明らかになっていく
彼の芝居に常に流れる
「ことば」を発することにより
「ことば」に縛られる人間のありよう
(まるで現在の宰相の発することばに対する感覚の真逆にあるのだが)
僕はこの芝居をBチームの配役でみたが
とにかく笑いの連続だった
人間のもつ本質的おかしみが「ことば」によって
あふれだしてくるのだ
とくに、個人的には妹役の
福田倫子さんの
現実感あふれるありようが
とても楽しかった
何度でも何度でもくりかえしみて
その世界を楽しみたいと
思った演劇展だった
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